In the first place

三十路が綴る、由無し事

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確実に来る未来(【書評】第五の権力 Googleには見えている未来/エリック・シュミット)

誰もが未来を案じるべきだ。そこで残りの人生を過ごすことになるのだから。

 Googleの会長が語る未来の姿。それはGoogleが自らのビジネスを推し進めた結果、遠からず訪れるであろう未来、彼らが思い描く未来である。

以前紹介したように、Googleの理念は世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすることである。

これはインターネットによって全ての情報、全ての人々がつながること(コネクティビティ)によって実現される。

 

正直に言うと、本書で語られる内容は必ずしも驚くべき世界ではない。

少なくともエンジニアとしてビジネスの世界に身を置いており、常に最先端の技術に触れている人であれば想像できる内容もたぶんに含まれている。

しかしGoogleが2012年から(恐らくもっと前から)思い描いていた、という点に価値があり説得力も大きくなるのだと感じた。

彼らにはコネクティビティの爆発がもたらす(基本的には)明るい未来を作り出す力があるし、実際に日々それに向かって邁進しているのだから。

 

そしてこれは改めて実感したことだが、私達は今大きな時代の転換点にいるのかもしれない。

こういった時期というのは歴史上後から振り返ると明らかだが、その時代を生きる当の本人たちは気付かないまま過ごしてしまうものなのだろう。

「坂の上の雲」を読んでいて、誰もが志一つで立身出世できると信じて疑わない時代を少なからず羨ましいと感じてしまった自分が恥ずかしい。

今の時代にはコネクティビティによって世界が広がる可能性が無数にあるし、きっとどの時代においても大志を抱き、正しい方向へ真面目に進んだ人間は大成できる、という法則は変わらないのだ。

そう、「思考は現実化する」で述べられた成功体験は時代によらず共通の真理なのだから。

最近読んだ本や考えていたことが、妙にリンクして腑に落ちた体験となった。

 

第五の権力---Googleには見えている未来

第五の権力---Googleには見えている未来

  • 作者: エリック・シュミット,ジャレッド・コーエン,櫻井祐子
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2014/02/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログ (14件) を見る
 

 

サラリーマンの戦闘服 麻布テーラーでオーダースーツを作った話

世界に一つだけ、自分専用にカスタマイズ、オーダーメイド、といった売り文句にはいつの時代も心惹かれるものがある。

というわけで遅まきながら三十路を迎え、スーツをオーダーしてきた話。

 

麻布テーラー

一口にオーダースーツと言っても、イタリアから直輸入した生地を職人が一から縫い上げるフルカスタム(一着数十万)から、既成のスーツに少しアレンジを加える類のセミカスタム(二着で39800円など)までピンキリである。

私の仕事は毎日スーツを着るわけではなく、月に1~2回の出張やイベント(結婚式や入学式)で着ることを想定し、初めてのオーダーなのでひとまず予算を5万円に設定した。

そこで選んだのが麻布テーラーであった。理由としては…直感でしかない。響きがカッコ良く、お店が通勤路にあり、ネットの評判もそこそこ、といった所か。

www.azabutailor.com

 

 

オーダーの流れ

店舗には若干の入りにくさはあったものの、入ってスーツを作りたい旨を伝えるとダンディなおじさまが対応してくれた。

用途と予算を聞かれ、まずは生地選びである。

生地によって値段が決まっており、37000から1万円刻みでグレードの高い生地が用意されていた。

高い生地のほうが、伸縮性が高くシワになりにくい、デザインが豊富、イタリアから直輸入、などとうたっていたが、正直どこまでの差があるのかは分からなかった。

ひとまず値段は気にせずデザインから選ぶことにしたのだが…

スマホサイズの生地サンプルからではスーツになった姿が全くイメージできずに苦労した。

家の壁紙を選ぶ際も(全ての部屋の全ての面の壁紙を自分達で選んだ)全く同じ現象に遭遇したが、大抵の場合小さいサンプルで見るより、実際は目立たない。

お店に他のお客さんがオーダーし完成したスーツがあるので、近いイメージの物は見せてもらうことができる。が、全く同じ生地の物があることのほうが稀なので、近い物から想像を働かせるしかない。

迷ったのは色合いとステッチの間隔。手持ちのスーツと違いを出すため、なるべく明るい色にしたかったが、仕事で使うのであまり攻め過ぎることはできない。ステッチも細かすぎるとうるさくなってしまうし、粗すぎると印象が薄れてしまう気がした。

散々悩んだ末(と言っても15分程度)何とか決めた。

 

以降についてはそれ程頭を悩ませることなく進行した。

次にスーツの形を選択する

麻布テーラーでは3種類の形から選択することになる。

スーツモデル – パーソナルオーダースーツ・シャツの麻布テーラー|azabu tailor

大きな違いは第一ボタンの高さ(=開襟具合)だと理解した。ビジネスでもプライべートでもという用途からJET CRUISEを勧められたので承諾。結果的に一番オーソドックスな形に。

あとは細かいオプションの選択

せっかくのオーダーなので細かい部分でこだわりを出したかったので、ボタンを水牛に(+3000円)、ジャケットのポケットを斜めに、裏地の色をワインレッドに、パンツの裾をダブルにした。

最後に採寸

オーダースーツの肝となる部分だろう。首回り、手の長さ、胸囲、腹囲、腰囲等々、なすがままに図られていく。

私の場合、臀部周りが太めでウエストが細めなため、既成のパンツでお尻が通るサイズはウエストが大きめ、といった状態であったことを指摘された。確かにその通りで、やけに納得してしまった。

こういった点に対応してもらえるのがオーダーの一番の魅力だろう。あとは細かいが左右で手の長さが異なるので袖の長さも左右で調整してくれる。

 

約1か月強で完成

店舗から完成の連絡を受け、意気揚々と受け取りに。

仕上がったスーツを見ると、やはり思ったより目立たなかった

しかし派手過ぎたかと心配していたので結果的には良かったと言える。

試着してみると、本当に体にぴったりフィットした。

特にパンツはジャストサイズなので体形の変化は許されないだろうという、自制心を生み出す副次効果があった。。

というわけで、いざ作ってみると思ったより手軽でリーズナブルに満足のいくスーツができ満足している。

次はオーダーのシャツ、2着目のスーツ、カジュアルウエア、等どんどんとはまってしまいそうなオーダーの魅力を感じた。

三十路になり良い大人になったので、着る物もこだわりを持った良い物にしていきたい。パーカースウェットでブログを書きながら…

オーダーメイドスーツを着る人の成功習慣

オーダーメイドスーツを着る人の成功習慣

 

 

未来の食事?完全食COMPレビュー

未来において、究極的に食事は二極化されているだろう、という話がある。

一つは効率を突き詰めた、ただ単に栄養を摂取することだけを目的とした食事。

もう一つは、反対にゆっくり時間をかけ、その場の雰囲気も含めて食事を心から楽しむことを目的とする。

 

今回紹介するCOMPはその前者のコンセプトに該当する。

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(出展:完全食 COMP | 株式会社コンプ

 

COMPとは

完全食。それは理想的な栄養バランス。

シリコンバレーでソイレントが流行しているように、この手の製品が忙しい現代社会を生きる人々に渇望されていることは想像に難くない。

栄養はきちんと取りたい、しかし栄養を考えて自炊したりレストランを選ぶのは面倒だという何とも我儘な欲望は誰しも少しは持ったことがあるだろう。

日本版ソイレントとも呼ばれるこのCOMPは東大で薬学博士を取得したCEO鈴木優太氏によって開発された。

正に理想的な栄養バランスを手軽に取れるコンセプトを体現した製品となっている。

 

ヒトに必要な六大栄養価(炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維)を理想的に配合している、とのことだ。

※人、でなくヒト、というあたりからしてサイエンティフィックな空気が漂っている。

こういった説明を聞くと、味が犠牲にされているのではないか(上の写真からも何となくバリウムを連想させる)と感じる人が多いと思われるが、「とけやすく、プレーンな味わい」ということで、コーヒーやジュースに混ぜて飲んでも良いそうだ。

自称アーリーマジョリティー、好奇心旺盛な私はここまで知った時点で迷わずポチっていたのであった。

 

実際に飲んでみた

まずは私は残業で帰りが遅くなる際の間食として(帰宅後のご飯を少量にして)使う事を想定した。

私は食べること自体は好きなので、このようなコップ一杯の飲み物で一食を置き換えることは今のところ考えられない。かと言って空腹を満たすためにパンやお菓子ばかり食べているよりは、栄養のある物を摂取するほうが良いだろうという考えである。

まず驚いたのが、とてもよく溶けるということだ。

一回分の90gという量は粉末としては意外と多く感じる。(私が使用しているスターバックスのタンブラーだと8割方埋まってしまう。)

そこへ水などを注ぐのだが、入れた傍からポコポコと溶けてゆき、シェイクすると完全に溶けてしまう。勿論お湯のほうがより溶けやすいが水でも全く問題は無い。

肝心の味はというと、非常に飲みやすい豆乳味であった。(バリウムではなかった)

但し水に溶かしたままの豆乳味だと好みは分かれると思われる。私のお気に入りはコーヒー割だ。COMPと一緒にインスタントコーヒーの粉末も入れ、お湯で溶かす。

 

値段は一杯当たり400円弱。高いと思うか安いと思うかは人それぞれだろうが、私自身は高いとは思わない。これだけ手軽に理想的な栄養が摂取できるのであれば、対価に見合った価値は得られていると感じる。

飲んだ後の空腹感も全くなく、冒頭の私の目的を果たすには十分の性能を持ち合わせていることに満足した。

ただし、これを毎日飲み続け食事の代わりにすることは私にはできそうにない。

味が変えられるとはいえ飽きてしまうし、やはりお菓子やパンも食べたい。

将来的にはもっと手軽にカプセルにしてもらえると、いよいよ未来の食事がきたなと感じられるのだが。それはもう少し先の話だろう。

志(【書評】坂の上の雲(一)/司馬遼太郎)

座右の書は「竜馬がゆく」である。

竜馬がゆく (新装版) 文庫 全8巻 完結セット (文春文庫)

竜馬がゆく (新装版) 文庫 全8巻 完結セット (文春文庫)

 

 近代日本の大きな転換点となった明治維新は、坂本龍馬一人の手によって成し遂げられた、と言うのは些か乱暴であり多くの幕末志士への冒涜になりかねないが、少なくとも明治維新は坂本竜馬無くしては成し遂げられなかったとは言えるだろう。

私は彼が成し遂げた事柄より、純粋に彼の人柄に心酔している。

大海原に大きく広げた志、波に揺られるように自分の信念に身を委ねた生き方、彼の定めが維新であったかのように暗殺される最期、これほど人生のどこを切り取っても絵になる生き方をした人物は歴史上稀有な存在なのではないか。

歴史の中でも人気を二分する戦国と幕末であるが、私は竜馬のおかげで断然幕末派である。

 そんな幕末後の日本を描くのが、坂の上の雲である。

※家族に何を読んでいるのか聞かれ「坂の上の雲だよ」と答えたら「え?崖の上のポニョ?」と聞き返される程度に私の活舌は悪く、両者には不思議な音感の一致がある。

 

あらすじ

維新を遂げ、急速に文明開化を進める明治初期の日本。その中でスポットライトがあてられるのは後の日本軍において重要な役割を果たす秋山好古、真之兄弟と、文学の世界に巨大な足跡を遺した正岡子規の三人である。

一巻では彼らの生い立ち、学生時代が中心に描かれている。

彼らがそれぞれ何を思い、どのような経緯で歴史的な偉業を成し遂げるに至ったか、その萌芽を感じさせる内容となっている。

 

感想

何よりもまずこの時代(明治初期)の日本の風潮を改めて認識し驚かされた。

三百年の鎖国を経て開国した日本をは息せき切って欧州の文化を取り入れていく。その時代にあっては、意思があれば日本一を目指せる分野がそこかしろに転がっていたのである。

やるからには日本一になる、その道において到底敵わない人物が既にいるのであれば潔く別の道を探す。とにかく一つの道へ向かい勉学に励めば日本における第一人者になれる環境というのは、正直羨ましく感じてしまった。

現代において、自分はこの分野で日本一になるんだと豪語することはなかなか一般人には難しい。勿論、それは正しい努力によって成し遂げられるという本質は今も変わっていない。しかし実際問題として、若者全体にそういった期待感があるのと無いのでは全く異なるだろう。

時代のせいだと嘆くのは愚かなことだがしかし、この時代に生まれていればと想像することを禁じ得ない自分がいることは事実である。

 

一巻で一番印象に残ったのはやはり升さんこと正岡子規であった。どこか達観した死生観という意味では先述の竜馬にも似た雰囲気を感じ取ることができた。

彼が今後どのようにして日本の文学界へ影響を与えていくのか非常に楽しみである。

また、これは司馬遼太郎の歴史小説に共通する特徴であるが、随所に挟まれる余談や当時の様子が目に浮かぶようなエピソードは長い小説にあって良いスパイスになり読者を飽きさせることがない。

やはり現代とは時代背景が全く異なる中で、どうしてそのような思想に至ったのか当時の空気を感じながら読み進められるのが素晴らしい。

 

というわけで、本作については全八巻一巻ごとに書評を寄稿していこうと考える次第である。ややもすると一気に読み通して、どこか全体的な印象しか残らなかったということになりがちであるが、巻ごとに区切りをつけて振り返るのは我ながら良い判断なのではないかと思う。単にブログのネタ稼ぎでは断じてない。

坂の上の雲〈1〉 (文春文庫)

坂の上の雲〈1〉 (文春文庫)

 

 

一つ上の視点から ロードマップ思考のススメ

本ブログは働き盛り20~40代のサラリーマンを主な想定読者としている。

特にそんなサラリーマン各位は日々目の前の業務をこなすことに忙殺されているのではないかと想像する。

 

一つ上の立場に立った場合

今の立場が平社員なら係長の立場に立って考える、係長なら課長、課長なら部長といった具合である。もちろん一つでなく二つ三つ上の立場でも構わないのだが、今の自分が現実的に考えられる範囲に留める必要がある。

一つ上であれば身近に直属の上司がいるため、その人の立場に立つことは難しくないであろう。

普段は自分の担当業務で手一杯であっても、自分の部署を統べている上司の立場に立って思考する癖をつけていると担当業務のアウトプットの方法も変わるはずである。

(少なくとも理想的には)上の立場に就く人間は下の立場の人間よりもより先を見通しているはずである。つまり端的に言うと、今の自分のテリトリーより思考の範囲を広げるべきだということである。

 

ロードマップ思考

簡単な方法として常にロードマップを意識することをお勧めしたい。

平社員を例にとる。自分が所属する部署(係でも課でも構わない)の5年先までの取り組み目標を考えるのである。

それだと広範囲になりすぎる場合は、自分の担当業務についてでも良い。少しだけ頭を上げて、自分が3年後今の業務をどのようにしていきたいのか大局的な視点を持つのである。

将来の目標が明確になると今の仕事の進め方が本当にその目標に則しているのか判断できるようになる。(勿論その目標・ロードマップは作成した時点で上司と共有しておかなければならない)

以前紹介した「思考は現実化する」でも盛んに述べられていたが、将来の目標・ビジョンを出来る限り具体的にイメージし、常にそれを念頭に置きながら日々の生活を送ることで必ずその思考は現実化できるのである。

www.kondol.net

これにあたり、一般のサラリーマンが日々の業務に落とし込みやすい方法としてロードマップを提唱したのである。

ロードマップを作成し報告することは上司に自分の仕事に対する考えの深さを理解してもらうのに最も効率的な方法であると考える。

そしてこれは自分の人生に置き換えると、正にナポレオン・ヒルが説いていることになる。人生のロードマップ、というと大それた物に思えるが、気分は学生時代の卒業文集で良いのである。

純粋に将来どうなりたいか、そのために少し先にはどうなっているべきか、徐々にブレイクダウンして考えれば明日の行動も必然的に決まってくるはずなのだ。

まずは仕事で、そして人生についてもこのロードマップ思考を是非実践してみてほしい。(自分に言い聞かせながら)

図解 実践ロードマップ入門 (図解 入門 シリーズ)

図解 実践ロードマップ入門 (図解 入門 シリーズ)

 

 

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