In the first place

三十路が綴る、由無し事

【スポンサーリンク】

歴史の不確かさ、日本が持つべきしたたかさ(【書評】雑談力/百田尚樹)

私は雑談が苦手である。

何か参考になればと思い本書を手にしたが、結論から言うと雑談力の向上という観点においては一般的な内容に終始していた。

一方で、純粋に話として面白い!と思えるネタが多数掲載されていた点に価値を感じた。

期せずして私の大好物である知識欲を刺激してくれる一冊に出会えた。

 

百田氏の著書は永遠の0海賊とよばれた男、プリズム等を読んだことがあり、どの作品にも人を引き込む独特な力があると感じていた。

その裏には多岐に渡る深い造詣と、そこから生まれる独創的な視点、物語構成力があるのだと実感した。

 

個人的に琴線に触れたエピソードとしては

  • 前戯専用ホースの悲しい定め:当て馬
  • 奥深い人間性を持つ稀代の芸術家:葛飾北斎
  • ホワイトカラーのニールは実在した:メーヘレン

などなど枚挙に暇がないが、やはり一般的にインパクトが大きいのはタイトルに揚げた南京大虐殺従軍慰安婦靖国神社に関する記述だろう。

これらの問題は(かなり乱暴にまとめると)全て朝日新聞がねつ造し、今や中国韓国に良いように外交カードとして利用されてしまっているということである。

本当にこれが全て事実であるならば、勤勉で実直という日本の美徳が愚鈍で馬鹿正直という悪徳と化してしまっていると言わざるを得ない。

特に外交においてはいかに相手の優位に立つかが最重要であることは火を見るより明らかである。

唐突に最終章にこの話を持ってくるあたり、以前の章は全て前置きでこの章こそが百田氏が述べたい本質なのではないか。 そう考えると一般的な内容に終始していたと感じたことにも合点がいく。

 

内容の受け取り方、真贋についての考え方は人それぞれ、この本だけで判断するものでもないが 養毛剤や脱糞のエピソードを明け透けに語れるお茶目で博学な百田氏に一層興味を持つ一冊となった。

 

失敗を笑いに変えることができるのは、人間の成長の証なのではないかと私は思っています。

 

雑談力 (PHP新書)

雑談力 (PHP新書)

 

 

 

【スポンサーリンク】