確実に来る未来(【書評】第五の権力 Googleには見えている未来/エリック・シュミット)
誰もが未来を案じるべきだ。そこで残りの人生を過ごすことになるのだから。
Googleの会長が語る未来の姿。それはGoogleが自らのビジネスを推し進めた結果、遠からず訪れるであろう未来、彼らが思い描く未来である。
以前紹介したように、Googleの理念は世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすることである。
これはインターネットによって全ての情報、全ての人々がつながること(コネクティビティ)によって実現される。
正直に言うと、本書で語られる内容は必ずしも驚くべき世界ではない。
少なくともエンジニアとしてビジネスの世界に身を置いており、常に最先端の技術に触れている人であれば想像できる内容もたぶんに含まれている。
しかしGoogleが2012年から(恐らくもっと前から)思い描いていた、という点に価値があり説得力も大きくなるのだと感じた。
彼らにはコネクティビティの爆発がもたらす(基本的には)明るい未来を作り出す力があるし、実際に日々それに向かって邁進しているのだから。
そしてこれは改めて実感したことだが、私達は今大きな時代の転換点にいるのかもしれない。
こういった時期というのは歴史上後から振り返ると明らかだが、その時代を生きる当の本人たちは気付かないまま過ごしてしまうものなのだろう。
「坂の上の雲」を読んでいて、誰もが志一つで立身出世できると信じて疑わない時代を少なからず羨ましいと感じてしまった自分が恥ずかしい。
今の時代にはコネクティビティによって世界が広がる可能性が無数にあるし、きっとどの時代においても大志を抱き、正しい方向へ真面目に進んだ人間は大成できる、という法則は変わらないのだ。
そう、「思考は現実化する」で述べられた成功体験は時代によらず共通の真理なのだから。
最近読んだ本や考えていたことが、妙にリンクして腑に落ちた体験となった。
- 作者: エリック・シュミット,ジャレッド・コーエン,櫻井祐子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2014/02/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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