In the first place

三十路が綴る、由無し事

【スポンサーリンク】

Google信者譚 ~MPEG論争に見る理念の実行力~

スマホのメールはGmail、ブラウザはChromeでGoogleトップがホーム、大抵のアプリ連携はGoogle+で、外に出ればGoogleMap、さりげなくGoogleAdSense、好きな色は青赤黄緑。

そんな私がGoogleの凄いエピソードを紹介するコーナー。

 

Googleのルーツ

スタンフォード大学の博士課程にいた創業者のラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンが画期的な検索アルゴリズムを開発したことが全ての始まりである。

創業は1998年とまだ未成年であるというのは驚きの事実ではないだろうか。

当時の検索アルゴリズムといえばキーワードマッチングが一般的で、(物凄く大雑把にいうと)サイト内に検索ワードが多数含まれていれば上位に表示されることができた。

その結果、ただ上位に表示されることだけを目的としたスパムサイトが乱立し、ユーザーが真に求める情報に辿り着けないという事態を招いた。

Googleが開発したアルゴリズムは(物凄く大雑把にいうと)多くのサイトからリンクされているサイトは信頼性が高いはずであるという仮説に基づいている。

信用できる正確な情報は各所で引用(リンク)されるというのはごく自然に想像できる考え方である。

単なる非リンク数だけでは前述のようなスパムサイトでも相互にリンクを貼り合うことで対策ができてしまうが、Googleは非リンク先の信頼性も判定に含めることで検索制度を高めている

 

Googleの理念

GoogleのホームページといえばGooglenoロゴと検索ボックスのみのあのページを想像する人がほとんどだと思うが、Googleの会社ページを是非一度確認してみてほしい。

Google について

Google の使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすることです。

今日多くの企業が理念として様々な社是を掲げているが、これほどまでに理念に忠実に企業活動を行っている企業を私は知らない。

冒頭に挙げたようなGoogleの様々なサービスは、一見まとまりが無いようにも感じられるが、全てがこの理念に基づいているのである。

日常生活におけるありとあらゆる情報を整理し、アクセスできて使えるようにするために、必要な技術を持った企業を買収しGoogleのエコシステムに組み込むことで着実に理念の実現へと邁進している。(YouTubeもGoogleの子会社だということは意外と知られていない事実であったりする)

Google が掲げる 10 の事実 – 会社情報 – Google

 

上記も非常に面白いので是非一読願いたい。

 

MPEG論争

上記にGoogleがYouTubeを買収している事実を紹介したが、Googleとしては動画もインターネット上で皆が自由に投稿、閲覧できる環境を作ろうとしていた。

動画の圧縮技術には複数の規格があるが、当時MPEGはサムスンなど大手電機メーカーがパテントプール(複数の企業で特許の使用を認め合うコンソーシアム)を形成し、使用者にはライセンス料を課していた。

世界中のユーザーが自由にアクセスできるインターネットを目指すGoogleにとって、動画コーデックが有料であることは大きな阻害要因となっていた。

GoogleはOn2 Technologiesという企業を買収しており、そこが開発したVP8という動画圧縮技術を使ったWebMというコーデック所有していた。

そこでMPEG陣営に対して「MPEGを無料で使わせてくれないなら、YouTubeでMPEGを使えないようにする(かなり意訳)」と交渉を持ちかけた。

結果として今ではMPEGも誰もがフリーで使えるようなり、ピコ太郎や数々のYouTuberが誕生したというわけである(かなり飛躍)

 

要するに、Googleはその崇高な理念に基づき世界中にちらばる情報をインターネット上で整理し、誰もがアクセスし使えるようにできるよう、日夜技術開発を進め、必要な技術については積極的に買収、無料化し提供しているのである。

松下幸之助の水道哲学然り、最期まで自分の信念のみに従った坂本竜馬然り、明確な理念とその実行力は成功の要諦であることは語るに及ばない。

Googleの由来が10の100乗という途方もない数を表すGoogolからきていることは有名な話だが、彼らの管理する情報量は今日も着々とそこへ近づいている。

How Google Works

How Google Works

  • 作者: エリック・シュミット,ジョナサン・ローゼンバーグ,アラン・イーグル,ラリー・ペイジ
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2014/10/17
  • メディア: Kindle版
  • この商品を含むブログ (7件) を見る
 

 

 

【スポンサーリンク】