Now I see you(【映画評】グランド・イリュージョン)
イリュージョンという言葉で一世を風靡したといえば、プリンセス天功こと引田天功ではないだろうか。
ミスターマリックがハンドパワーの名の下に手品をお茶の間に持ち込むことに成功し、更に壮大な仕掛けでプリンセス天功がイリュージョンを浸透させた。
三十路に媚びた前置きはさておき、グランド・イリュージョンという映画を昨日の美容師さんから紹介されたので早速通勤中に視聴した。
あらすじ
大金を盗み出した4人のマジシャンとFBI捜査官らの攻防を描くクライムエンタテインメント。カリスママジシャンのアトラスをリーダーとする4人組スーパーイリュージョニストグループ「フォー・ホースメン」が、ラスベガスでショーをしながら遠く離れたパリの銀行から金を奪うというマジックを披露し、観客を驚かせる。FBI捜査官のディランとインターポールのアルマは、彼らがさらなる強盗を働く前に阻止しようとするが、フォー・ホースメンのイリュージョンを見抜くことができない。捜査陣はマジックの種を暴くことで有名なサディウスという人物に協力を依頼するが……。
感想
アッと驚く結末、という売り文句は小説や映画の世界で使い古されていささか陳腐化しているように感じるが、この映画も一応この売り文句に合致する作品となっている。
夫々得意分野を持つ4人のマジシャンが壮大な仕掛け(イリュージョン)を駆使して大金を盗み出す、その目的・裏で糸を引く人物とは・・?といった内容である。
確かに意外な人物が黒幕であり、張り巡らされた伏線も回収されているのだが、どこか物語全体に深みがないチープな印象を抱いてしまった。
イリュージョンの演出、FBIの追跡などはハリウッドらしく派手に魅せられているが、肝心のストーリーがその影になってしまっているのが残念である。
思えば私自身昔からマジックショーなどは純粋に楽しむことができず裏を探ってしまうような少年であった。
マジックとは巧妙な仕掛けで客を信じ込ませ驚かせ感動させるショーなのだから、文字通り騙されたと思って身を委ねてしまうのが正しい姿勢なのであろう。
grand illusionにdisillusionしてしまっているようでは、見える物も見えなくなってしまうかもしれない。
続編は・・amazon primeで無料になったら観るかもしれない。
しかしジェシー・アイゼンバーグは良い男だ。早口で英語は聞き取りにくいが・・。