今日より若い日は無い(【書評】思考は現実化する/ナポレオン・ヒル)
「夢見れば叶う」
これは尊敬する上司の言葉である。
夢を持つことが大事だなどという生易しい意味ではなく、24時間365日夢に出てくるほど考え続ければ叶えられないことは無いという意味だ。
本書は500人の成功者の成功プロセスを体系化し、17個の法則にまとめた世界最高の成功哲学である。
大仰な触れ込みだが、内容は非常にシンプルである。
既に多くの人が認識しているように、成功するために必要な事は当たり前の事を毎日ひたむきに続けることなのだから。
その上で、本書で強調されるのは目標設定の重要さである。
正しい目標を設定し、それに向かうための正しい行動を継続すれば、その目標が達成されることは必定、もはや原理と言っても良いかもしれない。
勿論、漠然とした願望を持つのではなく、具体的なイメージとして目標を持ち、それを意識し続けることで潜在意識に刷り込む必要がある。
個人的に興味を持ったのはこの潜在意識のコントロールについてであった。
なぜ思考は現実化するのか?
人間が五感から得る世の中のありとあらゆる情報はまず潜在意識下に取り込まれる。それを顕在意識へ引き上げるのが目標設定に基づく問題意識だと言うわけである。
同じ情報を得ても、そこから学ぶことは意識の持ちようによって大きく異なる事はこれまで何度も経験している。本を読む際、人の話を聞く際、テレビを観る際においても、自分が今抱える問題を念頭に置いていると思わぬ気付きが得られるものである。
これが正に冒頭に紹介した「夢見れば叶う」という言葉の意味する所でもある。
17個の法則はどれも、言われれば当然なのだが身につまされる物ばかりであり、すぐに実行に移していかなければという思いを強くした。
こういった気付きに遅すぎるということは無いと信じている。人生において今日という日より若い日は無いのだから。
▼それぞれの法則に図解付き。手軽にエッセンスが学べる。
▼原著の日本語訳。文庫で読みやすい
▼原著。この文章は是非英語で読みたい。